fnmからVoltaへ乗り換える理由と手順
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2025-07-30
Node.jsのバージョン管理ツールとして人気のある「fnm(Fast Node Manager)」から「Volta」への乗り換えを検討している方に向けて、両者の違いと移行手順、そしてVoltaを選ぶべきケースについて解説します。
fnmとVoltaの比較
| 項目 | fnm | Volta |
|---|---|---|
| 開発言語 | Rust | Rust |
| 速度 | 非常に高速 | 高速(shim機構でわずかに遅い場合あり) |
| Node.jsバージョン管理 | あり | あり |
| package.json 連動(volta フィールド) | なし | あり(pin で自動記録・使用) |
| package.json の engines 読み取り | なし | あり(CIや警告用途) |
| .node-version / .nvmrc 対応 | あり(自動切り替え対応) | あり(読み取り対応。ただし自動 pin ではない) |
| グローバルツールのバージョン管理 | なし(npm -g をそのまま使う) | あり(volta install で固定・再現可能) |
| 再現性のあるCI環境構築 | やや工夫が必要 | 容易。package.json の volta フィールドを使用 |
| シェル統合のしやすさ | 手動設定あり(シェルrcへの追加必要) | 自動設定(インストーラが対応) |
Voltaを選ぶべきケース
以下のようなケースでは、Voltaへの乗り換えが強く推奨されます。
- CI環境でpre-commitやlint-stagedなどを実行している
- Node.jsやnpmのバージョンをpackage.jsonで明示している
- チーム開発でツールのバージョン差異によるトラブルを防ぎたい
- グローバルにインストールしたツールをプロジェクトごとに固定したい
Voltaのインストール方法
Voltaの導入は非常にシンプルです。公式サイト にもありますが、以下のようなコマンドを実行してください。
Windows
winget install Volta.Volta
Mac等Unix系
curl https://get.volta.sh | bash
fnmからVoltaへ乗り換える手順
- fnmでインストール済みのNodeバージョンを確認する
- Voltaをインストールする
- 使用中のNodeバージョンをVoltaでもインストール・固定化
例: Node.js 20をVoltaで設定する
volta install node@20
現在のプロジェクトで使用する Node.js のバージョンを固定するには以下のようなコマンドを実行します。
volta pin node@20
これで、package.jsonに以下のような記述が追加されます。
{
"volta": {
"node": "20.11.0"
}
}
又、以下のような記述を追加すれば、CIや他のツールでもバージョンが一致します。
{
"engines": {
"node": ">=20"
}
}
CI環境での設定例(GitHub Actions)
GitHub ActionsでVoltaを使うには、次のような設定が簡単です。
jobs:
build:
runs-on: ubuntu-latest
steps:
- uses: actions/checkout@v4
- name: Setup Volta
uses: volta-cli/action@v4
- run: npm ci
- run: npx pre-commit run --all-files
まとめ
fnmは非常に高速で優れたツールですが、プロジェクトごとにNode.jsやnpmのバージョンを固定したい場合や、CI・チーム開発での再現性を重視するなら、Voltaの方が一歩リードしています。
これから新しくプロジェクトを始める、あるいはCIやpre-commitで安定性を求める方は、Voltaへの移行を検討してみてください。
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