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fnmからVoltaへ乗り換える理由と手順

Node.jsのバージョン管理ツールとして人気のある「fnm(Fast Node Manager)」から「Volta」への乗り換えを検討している方に向けて、両者の違いと移行手順、そしてVoltaを選ぶべきケースについて解説します。

fnmとVoltaの比較

項目 fnm Volta
開発言語 Rust Rust
速度 非常に高速 高速(shim機構でわずかに遅い場合あり)
Node.jsバージョン管理 あり あり
package.json 連動(volta フィールド) なし あり(pin で自動記録・使用)
package.json の engines 読み取り なし あり(CIや警告用途)
.node-version / .nvmrc 対応 あり(自動切り替え対応) あり(読み取り対応。ただし自動 pin ではない)
グローバルツールのバージョン管理 なし(npm -g をそのまま使う) あり(volta install で固定・再現可能)
再現性のあるCI環境構築 やや工夫が必要 容易。package.json の volta フィールドを使用
シェル統合のしやすさ 手動設定あり(シェルrcへの追加必要) 自動設定(インストーラが対応)

Voltaを選ぶべきケース

以下のようなケースでは、Voltaへの乗り換えが強く推奨されます。

  • CI環境でpre-commitやlint-stagedなどを実行している
  • Node.jsやnpmのバージョンをpackage.jsonで明示している
  • チーム開発でツールのバージョン差異によるトラブルを防ぎたい
  • グローバルにインストールしたツールをプロジェクトごとに固定したい

Voltaのインストール方法

Voltaの導入は非常にシンプルです。公式サイト にもありますが、以下のようなコマンドを実行してください。

Windows

winget install Volta.Volta

Mac等Unix系

curl https://get.volta.sh | bash

fnmからVoltaへ乗り換える手順

  1. fnmでインストール済みのNodeバージョンを確認する
  2. Voltaをインストールする
  3. 使用中のNodeバージョンをVoltaでもインストール・固定化

例: Node.js 20をVoltaで設定する

volta install node@20

現在のプロジェクトで使用する Node.js のバージョンを固定するには以下のようなコマンドを実行します。

volta pin node@20

これで、package.jsonに以下のような記述が追加されます。

{
  "volta": {
    "node": "20.11.0"
  }
}

又、以下のような記述を追加すれば、CIや他のツールでもバージョンが一致します。

{
  "engines": {
    "node": ">=20"
  }
}

CI環境での設定例(GitHub Actions)

GitHub ActionsでVoltaを使うには、次のような設定が簡単です。

jobs:
  build:
    runs-on: ubuntu-latest
    steps:
      - uses: actions/checkout@v4
      - name: Setup Volta
        uses: volta-cli/action@v4
      - run: npm ci
      - run: npx pre-commit run --all-files

まとめ

fnmは非常に高速で優れたツールですが、プロジェクトごとにNode.jsやnpmのバージョンを固定したい場合や、CI・チーム開発での再現性を重視するなら、Voltaの方が一歩リードしています。

これから新しくプロジェクトを始める、あるいはCIやpre-commitで安定性を求める方は、Voltaへの移行を検討してみてください。

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